今更ですが半沢直樹を読みました。

図書館で予約無しで借りられたので、今更半沢直樹の原作 池井戸潤 著「オレたちバブル入行組」を読みました。

懲悪ものはわかりやすくていいですね。出世争いなどの激しい競争やドロドロとした人間関係など、銀行の特殊な世界を舞台にしたサスペンスです。

ちょっと都合が良すぎる展開が気になりましたが、普通に面白かったです。

オレたちバブル入行組

使いやすいデザインのあり方とは?「誰のためのデザイン?」を読んだ まとめと感想

  • 本のタイトル:誰のためのデザイン?
  • 著者:D.A. ノーマン

このような経験はないでしょうか。

  • 押しても扉が開かないと思ったら、引き戸だった。
  • 色々な機能がついたFAXを買ったものの複雑すぎて、送受信さえどうすればよいのか操作に悩んだ。

この本はどうしてこのように、実際に製品を使う人(以下 エンドユーザ)が操作を誤ってしまう使いづらいデザインが生まれてしまうのか、使いやすいデザインとはなんなのかを、細かく考察した、わりとアカデミックな本です。

エンドユーザやデザイナーの視点から、文化的背景、人が持つ知識や認知など様々な視点で考察しています。

また、コンピュータの道具としての利便性と、それが実現することの未来などにも言及しています。

アカデミックな内容なのでちょっと読みづらいですが、例示も多いので内容自体は理解しやすいです。著者であるノーマン氏は、アップルのヒューマン・インターフェイス・ガイドラインの策定に関わった人物です。

あくまで人間の認知とデザインのあり方の本なので、かっこいいデザインはどういうものかといった話は全くありませんが、デザインに対する考え方として、とても参考になる本だと思いますので、おすすめです。

使い方が自然とわかるデザインが良いデザイン

例えば、以下のイラストのドアが両方ともに押戸だった場合、IMG02のドアは引戸か押戸かわかりませんが、IMG01のドアは腰よりも少し低い位置に横に長い取っ手があるため、触れる際に腰をかがめ上からつかむように取っ手を握ります。そうすると、エンドユーザーは自然と押し戸として認識するという具合です。

使いやすい道具の例

このように誰でも触った瞬間に使い方がわかるデザインは優れたデザインだと著者は言っています。

デザイナーはデザイン性を優先し、利便性を損なうのを時として良しとしてしまう傾向がありますが、この本を読むとそういった点に注意できる視点を持つことができるかもしれません。

デザイナーであるがゆえにデザインを誤ることがある。

デザイン性が良くなることで、エンドユーザが使いづらいと感じることがあります。

例えばデザイン性を良くするために情報をシンプルにしすぎて、いったいそれが何を示しているのかわからない案内看板などは一番身近な例でしょう。

なぜ、このようなことが起こるのかといえばデザイナーは、自らデザインした製品をよく理解しているからです。
デザイナーは製品についての理解があるからこそ、全く製品に対する知識のないエンドユーザの立場で考えることができず、デザインを誤る場合があるということです。

また、デザイナーの直接的なクライアントがエンドユーザでない場合が多いのも原因です。ほとんどの場合デザイナーは企業から依頼されデザインをします。クライアントである企業担当者が優先する事項は「使いやすさ」でないことは多々あります。

製品の購入担当者は購入する製品が使いやすいかどうかわかりません。多機能で他社製品よりも安く、導入コストの低い製品があれば、実際には使いづらくて現場では使い物にならなくても、購入してしまうのです。例えば電話機などはその最たる例で、電話機を新しく買い換えたら、最も使う機能の一つである、転送の仕方がわからないというのは良くあることです。

このように、デザイナーがデザイナーであるがゆえ、またクライアント=エンドユーザでないためにデザイナーは誤ったデザインをしてしまうという指摘は、デザインに携わったことのある人間なら誰しも心当たりのあるところなのではないでしょうか。

使いづらさが必要な時もある

使いやすいことが必ず便利であるというわけではないということも指摘しています。

例えばマジックテープで留められる靴の登場で靴紐を結ぶ手間はなくなったものの、子供がかえって靴を勝手に脱いでしまう機会が多くなり、これは親の立場で言えば不便です。

また、簡単に鍵の開けられる金庫は、泥棒に開けられてしまうかもしれません。これはセキュリティという観点で言えば決して優れているとはいえません。

時として危険な工場のラインなどはあまりにも簡単に操作できるものがあることで、作業員を危険にさらしてしまう可能性もあります。

つまり、使いやすさは重要ですが、何が最優先なのかによって、不便さとのトレードオフが必要な場合があるということです。

便利すぎることでエンドユーザの自由を奪う可能性がある。

個人的に面白かったのは、自動化過多という問題です。

自動化とは機械やシステムが予め決められた操作を、自動的に行ってくれることです。自動化すれば効率化でき便利になりますが、自動化しすぎることで、システムの誤作動などを回復する際に、人間が対処できなくなりかえって不便であるという問題です

スマホでボタンひとつ押せば勝手に写真を自動補正してくれるようなアプリを使ったことはないでしょうか。こういったアプリは便利な半面細かい修正をしたいという時に、その操作ができず不便と感じることがあります。

しかし、ここで細かい色の調整や、コントラストのバランスをエンドユーザで選択できるようにすると操作は複雑になり、これもまたエンドユーザの不便さにつながります。このバランスに関してはWordPressでシステムを組む際に良く悩んでいた点なので、興味深い内容でした。

道具の進化によって人間の表現の仕方も変わる。

本書の中で、文章を手書きからワープロで書く社会になることで、文章が話し言葉(口語)に近くなっていくと指摘してます。
現在と比較すると、さらに話し言葉でも使わないような短縮化・簡略化が進み、ネット上でしか通用しない言葉が生まれているという点も興味深かったです。

使用するデバイスの入力方法によってコミュニケーションの方法や表現手法が変わっていくとういのは、世代間のコミュニケーションがうまくいかない原因にもつながっているような気がしました。

Google検索エンジンは登場が予測されていない

また、1990年ごろの本ですが、ハイパーテキスト(html)による未来のドキュメントの利便性について言及しています。

この内容の中で、膨大なドキュメントのデータを利用する未来において、その膨大なドキュメントを探すことが困難なだけではなく、混乱する未来が訪れると、問題提起しているのですが、Googleのような精度の高い検索エンジンの登場や必要性については触れておらず、この時点では検索エンジンの性能の向上を学者でも予測できていないという点も興味深かったです。

まとめ

デザイン制作の場面で参考になる内容が多く、ためになりました。また、コンピューターの未来について1990年後頃、学者がどのように考えていたかという部分は現在と比較してみると当たっている部分もあり、予測できていない部分もあって面白かったです。ただ、学術的な内容のため、すこし読みづらく、1・2回読み直さないとしっかりと本の内容を理解できなそうです。

また、アップルのヒューマン・インターフェイス・ガイドラインの策定に関わっただけあり、現在のアップル製品に考え方・思想が反映されていることがこの本を読むとよくわかります。